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世界ミツバチの代表的な種類6選!日本ミツバチとの違いとは?

世界のミツバチにはいろいろな種類があるのをご存知でしょうか?

ミツバチはミツバチ。日本のミツバチとそんなに違いはないのでしょう?と思っていませんか?

実はそれぞれの地域と気候特性、そして何より蜜蜂の生命線である蜜源の花々が違うことによって、ミツバチもそれぞれ地域によって進化の特性が違うのです。

今、現在世界のみつばちにはその種類が的なものは大きく10種類弱くらいあると言われています。それぞれに習性や巣の作り方まで若干違いがあるようです。日本で活躍する蜜蜂はそのうちの一つにすぎません。

実は世界の養蜂家によって、違う種類のミツバチの特性を生かすために、人工交配技術なども研究されてきています。

今回は、世界に生息するミツバチの種類とその特徴についてご紹介していきます。

世界の代表的なミツバチの種類6選

【1】イタリアン

イタリアのミツバチは、南アルプス、イタリア北部を中心に、シチリア島北部までのイタリア各地を原産とする品種です。氷河期の時代から生き延びてきた歴史を持っています。

湿気の多い亜熱帯地域では、はちみつなどの生産性は高くありません。ですが、亜熱帯から寒冷地まで幅広い気候環境への適応能力がバツグンなため、今では世界各地の養蜂に利用されている品種です。日本でも多く養蜂に使われています

【2】カーニオラン

スロベニアのカーニオラン地域からオーストリア南部、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ハンガリー、セルビア、ブルガリア、ルーマニアなど広いヨーロッパ地域を原産とするミツバチです。

カーニオランはイタリア蜜蜂に次いで、世界各地で養蜂に使われている品種です。

寒さにも強く、極端に大人しい性格。養蜂用の煙の使用も少なくて済み、数も増やしやすいので、世界の養蜂家から愛されています。イタリアンに比べると少し黒っぽい色をしています。

【3】コーカサス(コーカシアン)

画像:BeeKeeping.org 

カスピ海と黒海の間にそびえるコーカサス山脈を中心とした地域に住むミツバチで、とても特徴的です。

何と言っても蜜を吸う舌が通常のハチにくらべ2倍も長いので、普通のミツバチでは届かない花の蜜を奥深く吸いあげることができます。

寒さにも強く、温和で力持ち!人をあまりおそいません。そのため防護服もなく現地の養蜂家たちは飼育しています。また、自分達の巣を守るプロポリスの生産能力が高いのも特徴です。

【4】ドイツ(黒蜂)

画像:NY Times 

ドイツ蜂もしくはブラックビー(黒蜂)として知られています。色が黒っぽく、寒い地方に強く、長く生きられるのが特徴です。しかし性格的に防御的で、管理が困難な品種とされています。

【5】バックファスト蜜蜂

イギリスのバックファスト地方の養蜂家”ブラザーアダム”によって開発されたミツバチです。イタリアン蜂から人の手による遺伝子操作によって生まれました。

20世紀初頭に、気管ダニによるミツバチ被害が大きく出ました。それが、このバックファット蜂が開発されるきっかけです。寒い地域での生産性が高いのが一つの特徴です。

【6】ロシアン蜜蜂

画像:RussianBeeBlog 

ロシアのミツバチは、ロシアの東沿岸の地域が原産の蜜蜂です。

寄生ダ二など病気への耐性が強いのが特徴です。そのため、世界各地で、病気被害に陥らないよう、ロシア蜂を利用した新しい種類の開発、交配に用いられています。

  < 比較表まとめ >  

イタリア カーニオラン

コーカサス

ドイツ バックファスト ロシア
明るい 濃いグレー 中間 グレー
病気耐性
大人しさ ×
春活動 × ×
冬を越す力
ハチミツ生産
プロポリス生産 × × ×
その他 長い舌 病気に強い

非常に良い  × 弱い 

日本ミツバチとは?

明治以前は、日本の各所で見られていた在来品種の日本ミツバチ。

寒い時期にも活動ができて、ダニ寄生、チョーク病などの病気にも強く、人にも優しく滅多に刺さないのが日本ミツバチの特徴です。しかし、飼育のしやすや、ミツを作る生産性の高さから、ヨーロッパ地方のミツバチが人気でどんどん輸入されるようになってきました。日本ミツバチは今では日本での養蜂にはほぼ使われなくなってきました。今、日本で養蜂に利用されているのはほとんど、イタリアン蜂か、カルロ二アン種になります。

日本ミツバチが作るはちみつは、西洋ミツバチよりもよりコクと深みがあるとも言われているので、一度食べてみたいものです。

ミツバチによって作るはちみつの特長・違いがある?

はちみつは、大きく2種類あります。一つは単花蜜と呼ばれる一つの花のミツを中心に集めてつくったもの。そして以外の複数の花のミツからなるものを百花蜜と呼びます。

”一つの花のミツを中心に”と言いましたが、それは100%その花のミツ”だけ”から作られるハチミツはあり得ないからです。だいたい40%~50%くらい、その花から採れるミツが中心であれば、単花蜜として扱うのが一般的と聞いています。

ミツバチがつくるハチミツに大きな影響を与えるのはやはり蜜源(どの花のミツか?)で、その地域にしか咲かない花や樹木などがあればそれは大きな特異性につながります。マヌカハニーが良い例です。

では蜜源によって味や香りが変わるだけであって、ミツバチの種類によっては変わらないの?と聞かれると、実はそうでも無いようです。

例えば、コーカサス蜂(コーカシアン・ビー)のように、ミツを吸う舌の長さが2倍も長いといったミツバチも居るので、同じ花から摂れるミツの質や量も変わることになります。またコーカサス蜂は力持ちで、最後に羽をバタバタさせてミツを熟成していくのですが、その羽の力がとてもパワフルなので、水分量が少ない粘り気のある濃厚な味に仕上がるといった違いが出てくるようです。

また、養蜂家さんによっても蜂家族の扱い方、健康に育てられるかどうか、といった熟練度によっても味に大きく違いが出ることも、奥が深い話で大変興味深いことですよね。

世界のミツバチの種類まとめ

世界の代表的なミツバチの種類をご紹介させていただきました。実は養蜂も大きなビジネスであり、世界的にもミツバチの取引きもさかんにされています。

そのため、もっとも扱いやすいイタリア種や、カーニオランといった種類がシェアを拡大していっているのですね。

なんだか、珍しい花を蜜源とした、珍しいミツバチの品種がつくったハチミツをいろいろ食べてみたいな、と思ったりしますね。

(By ディオニソス)