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酒粕の種類と保存方法とは?酒粕で腸活!素敵な発酵食品ライフへ

今人気の発酵食品のひとつ「酒粕」

酒粕は、その栄養素に加え旨みもとてもたっぷりで、毎日の健康や美容のため積極的に生活に取り込みたい今、色々な雑誌でも取り上げられている食品です。

糖尿病や脳梗塞、がん、アレルギー、認知症をはじめ、便秘改善効果、疲労回復効果や美肌や美白の効果などなど…、限りがないほどたくさんの効果が酒粕には期待できるというから驚きです。

そのため、米麹で作られた甘酒もそうなのですが、酒粕から作られた甘酒も栄養価がとても高くて話題となっています。

加えて、食材としてだけでなく酒粕はお肌に塗っても美容効果が期待できるので、お肌パックとしての利用もおすすめです。

アルコールが含まれるため、酒粕は雑菌が繁殖しにくく腐らない食品と言われています。しかし、乾物や缶詰と同じように、賞味期限が設けられてあり、保存方法を守って管理しなければ、使えなくなってしまうこともあることをご存知でしょうか?

今回は、酒粕の特徴や種類、保存方法や状態の変化などをご紹介したいと思います。

酒粕とは?

日本酒を造る工程で熟成した「もろみ(原料が発酵した状態)」ができます。そのもろみをろ過してお酒を造るのですが、その時に残った固形原料(カス)を酒粕と呼びます。

酒粕、もろみの関係はこちらにも詳しく書いてあります↓

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ろ過されたお酒はその後、加熱殺菌処理が行われますが、酒粕には加熱工程が無いため、酵母や乳酸菌が生きたまま残ります。

酒粕は、お米からできていますが、お米とは全く違った栄養素や味や旨みが存在するので不思議なものですね。

これぞ発酵の力でしょうか!お米の旨味成分においては、なんとお米の583倍にもなると言われているので、驚異的です。

酒粕の旬とは?

ところで、酒粕に旬の時期があるっていうのはご存知ですか?工業的な生産品なのに、旬があるというのは少し想像がつきにくいですが・・・

酒粕は、新酒が出回る時期、1~4月が一番の旬となります!

新しく作られる出来立ての酒粕には、通常の酒粕に比べて酵母に含まれる栄養素が一番多く残っているため、日本酒造りが本格的する冬から春先のものを購入するのが一番のおすすめです。

酒粕の種類

実は酒粕にもその作る工程においての形状やさらに使いやすく加工されたものなどがあり、これによっていくつかの種類分けがされています。

(1)板粕

食品スーパーなどで、比較的多く販売されている、板状の四角いかたちの酒粕です。

日本酒を造るときに、もろみをろ過しますが、自動圧搾機によってろ過すると、板状の硬い酒粕ができてきます。これが板粕です。

板粕は、そのままでは硬いので、水でふやかし、練ることで柔らかくしてから使います。

(2)ばら粕

板粕にならなかった柔らかい酒粕や自動圧搾機からこぼれた状態の酒粕です。

そのままで柔らかく溶けやすいので、料理に使いやすいものです。

(3)練り粕

水や焼酎を打つことですでに柔らかくペースト状に加工された酒粕です。

ばら粕よりも、さらに溶けやすい状態のものになっています。

(4)踏込み粕

板粕やばら粕をタンクに入れ足で踏みこみ、空気を追い出してから約半年、熟成させたもの。

奈良漬などの漬物類に使われる甘味とコクがとても強い酒粕です。

色は茶色や黄金色をしていて、地方によってその呼び名も様々になります。

(5)成形粕

ばら粕を練りこんで逆に板粕状に仕上げたもの。近年の板粕不足のために逆に製造されます。

成形粕を作るときに、練り込むことによって米麹が壊れて、酸化も進んでしまうため風味が劣る場合があります。

酒粕の保存方法

酒粕の賞味期限はだいたい平均して3~4カ月ほど。製造会社によって少しずつ異なります。しかし正しい保存法を知っておくと、半年~一年とより長く日持ちさせることが可能になります。

常温、冷蔵、冷凍といった各保存方法があるので、その違いや方法についてご紹介していきましょう。

酒粕は、温度が高ければ高いほど熟成が進みます。そのため、常温保存の場合は、冷蔵や冷凍に比べて、一番熟成度が早くなります。

常温保存をする場合は、直射日光を避けて、なるべく涼しい場所を選びましょう。

常温保存の場合、季節にもよりますが、開封前なら3カ月~半年ほど持ちます。しかし、開封後は空気に触れ熟成スピードが速くなるので、2週間を目安に使い切るようにします。

冷蔵し温度を下げると、その分菌の活動を抑えることができます。そのため、熟成スピードが緩やかになります。

冷蔵保存の場合は、開封後でも半年くらいは持ち、風味や味の劣化も抑えられます。冷凍ではなく冷蔵の場合は、解凍作業が必要ありませんので、使いたい時にすぐ使え便利です。

冷凍保存すると、酒粕の熟成を完全に止めることができます。熟成が進まないため、1年程度も保存しておくことができます。酒粕を大量に購入した場合、長期的に保存しておきたい場合には冷凍保存がおススメです。

しかし、冷凍の状態で長く保存することで、酒粕の水分やアルコール分が少しずつ蒸発してパサパサになっていく可能性もあります。

使い切れる量に小分けをし、ラップに包んだ後、さらにフリーザーバッグに入れるなど、二重に包むことによって冷凍庫内での臭い移りや冷凍焼けを防ぎながら状態よく保存することができます。

常温で自然解凍するのがベストです。さらに、解凍後のパサパサ感を防ぐため、少量の日本酒に浸しておくのがポイントです。酒粕の風味や柔らかさが戻ります。

酒粕の熟成についての疑問  ~この状態は食べても大丈夫?~

1.酒粕の色がだんだん変化するのはなぜ?

酒粕にはアルコールが含まれているので、本来雑菌が繁殖しにくく腐らない食品と言われています。

酒粕の色は、“白色→ピンク色→黄色→茶色”とだんだん変色しますが、これは腐敗が進んでいるのではなく、熟成が進んでいる証拠です。

熟成レベルで、風味がかなり異なるので、それぞれの熟成レベルごとに風味を楽しんでみるのも良いでしょう。酒粕の熟成が進むと、味が濃く感じられます。そのため、使う分量を調整するなどが必要です。

2.酒粕に白い粉がつくのはなぜ?これは何?

酒粕を熟成する過程で表面に白い粉が付着することがあります。

これは、酒粕のチロシン(アミノ酸の一種)が結晶化したもの。チロシンの結晶が表面に浮き出たものなので、安心して食べることができます。

3.酒粕が食べられなくなることはないの?

腐ることのない酒粕ですが、空気に触れて酸化したり、カビが発生したり、明らかに味がおかしいといったことが稀に起こります。

また、すっぱい臭いが発生しているなど、過剰に熟成が進んでしまった場合もあるので、その場合は食べるのは避けた方が無難です。

カビの発生は、酒粕の乾燥が原因となっていることもあります。

酒粕の種類、保存法まとめ

一般の家庭で酒粕を消費するには、一度に使い切れない場合も多いでしょう。

残ってしまった酒粕を、次にいつ使うかわからない場合には、冷凍保存しておくのが無難です。冷凍の場合は、しっかりと2重ラップにて保存しておくことを忘れずに!

また、熟成度の変化により変色すること、より熟成された酒粕は旨みも栄養もレベルアップすることなども知っておきましょう。

色が変化したからといって捨ててしまっては、もったいないですよ~。

酒粕もそうですが、日本には、たくさんの発酵食品があります。発酵食品は健康にも美容にもよいことで見直されてきており、ぜひ酒粕で美味しい発酵ライフを楽しんでみましょう~♪

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(By ゼウス23世)