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MCTオイルとは?ココナッツオイルとの違い、選び方や摂取量など

ココナッツオイルの次はMCTオイル!?

ミランダカーをはじめ、ハリウッド女優や世界のセレブご用達オイルとして、「ココナッツオイル」の人気が日本でも急騰しましたねっ!昨年なんて品切れで入手できないっ!なんてこともありました。

そこで急きょ?登場してきたのが、ココナッツオイル成分の良いところを取ったという「MCTオイル」です。

ココナッツオイルには飽和脂肪酸、中でも「中鎖脂肪酸」を60%以上も含まれていてそれが美容と健康にとても良いということで人気となりましたが、そのMCTオイルはその「中鎖脂肪酸だけ」100%のオイルです。

まさにココナッツオイルの良いところを凝縮した感じ!?

しかも炭水化物制限ダイエットで話題の”ケトン体ダイエット”にもこのMCTオイルがとても効果的だとして、さらにMCTオイルの注目度に拍車が掛かったんじゃないかな、とも思われます。

”けど、MCTオイルって意外と高いよね。”
”ココナッツオイルとの違いがよくわからない。”
”私にとってはどっちを選ぶのが良いの?”

なんていう意見も周りではちらほら・・。ひょっとして、あなたもこんな意見をお持ちじゃないですか?

という事で今回はMCTオイルとココナッツオイルの違いについてフォーカスしていきます。

MCTオイルとは?

MCT(medium-chain triglyceride:中鎖脂肪酸)とは、ココナッツオイル、パーム油のような食品で見つかった分子構造の鎖の長さが中程度(炭素が6から12)の脂肪酸。そして「MCTオイル」はその中鎖脂肪酸成(MCT)分だけを抽出した100%中鎖脂肪酸オイルになります。

このMCT(中鎖脂肪酸)のメリットはそのエネルギー代謝の仕組みが他の脂肪酸とは全く違う点。

MCTはカラダの中に吸収されると、肝臓に運ばれてすぐにエネルギーとして利用することができます。カロリーをより効率的にエネルギーに変えながら消費されていくので、脂肪としても蓄積されにくい。長鎖脂肪酸と比べると、分解されて燃焼されるまでのスピードが約4倍も早いとも言われています。

しかもこのMCT代謝の効果として空腹も感じにくくなるそうです。ダイエットにもピッタリですよね。

MCTってココナッツ以外どんな食品に含まれてるの?

MCTは、ココナッツ、ヤシ油(パーム油)には多く含まれていますが、他には目だった量は含まれていません。

以上がMCTを含む3大食材ですが、3位の乳製品でも10~20%ほどです。そしてその成分の内訳や含有率は、個々の製品によって変化します。例えば、ココナッツオイルはMCTの4種類すべてとLCT(長鎖脂肪酸)も少量ですが含まれています。

MCTオイルとココナッツオイルとの違いは?その比較表!

成分比較を図にしてみるとMCTオイルとココナッツオイルとの違いが一目瞭然ですね!

成分 MCTオイル ココナッツオイル
中鎖脂肪酸
C6:カプロン酸(Caproic Acid):
中鎖脂肪酸
C8:カプリル酸(Caprylic Acid)
中鎖脂肪酸
C10:カプリン酸(Capric Acid)
中鎖脂肪酸
C12:ラウリン酸(Lauric Acid)
長鎖脂肪酸
その他(オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸)
×

※ここで注意したいのが”△マーク”。製品によってその含有率が違っていたりします!またカプリル酸を含んでいないものもあります!

各中鎖脂肪酸の説明

【1】C6:カプロン酸(Caproic Acid)

炭素数が6個の分子構造(C6と表現)を持つ、中鎖脂肪酸の中でも一番分子構造が短い中鎖脂肪酸になります。

しかし、ケトンに一番スピード変換されやすいという特長もあります。この脂肪酸は若干の匂いや独特の味がします。逆にちょっと喉焼けがしたりとか、胃腸の不調がもたらされたりということもあります。

【2】C8:カプリル酸(Caprylic Acid)

ココナッツオイルでの含有率は6%以下。脳内で代謝されるのが最速の脂肪酸です。そえゆえ、「脳オクタンオイル」とも言われます。肝臓はこのカプリル酸を処理する必要がなく、脳細胞をはじめカラダの細胞へ直接届いて、エネルギーとして代謝されます。

【3】C10:カプリン酸(Capric Acid)

ココナッツオイルでの含有率は9%以下。C8のカプリル酸に比べると、若干エネルギー変換効率が悪いですが、手頃な価格で手に入るのが特長です。市場の多くのMCTオイルメーカーがその成分の中心としているのがこのカプリル酸です。

【4】C12:ラウリン酸(Lauric Acid)

ココナッツオイルには50%以上このラウリン酸が含まれています。分子構造が一番長く、鎖の長さ的には長鎖脂肪酸と扱われてもおかしくない中鎖脂肪酸としてはグレーゾーンの脂肪酸になります。

実際にこの脂肪酸は、他のMCTと違って、肝臓に運ばれ処理される必要があります。それゆえに、この脂肪酸を中鎖脂肪酸として扱ってよいのか、扱うべきなのか?というのが議論のポイントになっています。定義としては炭素構造が12個なので、ぎりぎり中鎖脂肪酸ですが、特長的には違うのです。ですので、生物学者のほとんどはこの脂肪酸は中鎖脂肪酸ではなく、長鎖脂肪酸として扱っているとも言われています。

C12ラウリン酸の取扱いをどうするか?製品メーカーによって違いが!?

このラウリン酸は定義上は「中鎖脂肪酸」の範囲です。ですので製品を販売したいマーケッターは、このラウリン酸を大きく中鎖脂肪酸として宣伝します。ですが、効果は違う。C12はケトンを産まないのでC12を加えない機能重視のメーカーさんもいます。

しかし、ラウリン酸にはもっと違う意味での特長がある!

そう、実はラウリン酸には他のMCTには無いもっと大きな特徴があります。それは抗菌性です。カンジダ菌や、クラミジア、腸内細菌に対する抗菌性がとても大きいのです。ココナッツオイルの抗菌性はこのラウリン酸から来ています。

では、どちらを選べばよいの?

少し話が脱線しちゃいましが、上記の特徴を踏まえて考えると、最初に考えなければならないのは

”あなたがMCTオイル(中鎖脂肪酸)を摂りたい目的は何ですか?”

この質問から考える必要があります。これには異論があるかもわかりませんが、以下の視点で考えるのがおススメじゃないのかな、と思われます。

(1)値段が高くてもより効率的にケトン体ダイエットを目指したい方

そんなあなたは、はやりMCTオイルを選ぶべきでしょう。中でも、ケトンに代わりやすいとされる、C6~C8がたっぷり入ったMCTオイルを選ばないと意味がないかもわかりません。

(2)アルツハイマー、脳神経系疾病の予防が目的という方

C6~C10のMCTオイルは、脳機能を改善することができるケトンを生成します。脳のための代替エネルギー源として作用してくれます。近年、アルツハイマー病や認知症のような脳疾患の治療または予防のためにMCTが利用できるのでは?と研究者の大きな関心が集まっています。

また、ケトン生成により血糖値を下げる効果については、研究で実証されています。MCTを豊富に含んだ食事を摂ることによって、2型糖尿病やインスリン抵抗性の改善効果が見いだされています。

しかし、この医療用の目的でMCTオイルを摂る場合には、あらかじめドクターに相談の上、決めるようにしてください。

(3)美容・殺菌効果を求めてる方

値段の安いココナッツオイルをお勧めします。この目的で必要となる主な成分は、C12のラウリン酸です。

ラウリン酸はココナッツオイルには50%も含まれています。価格もMCTオイルに比べれば安価ですし、人工抽出されたオイルよりコールドプレスのエキストラバージンオイルであればなお安心とも言えます。バランスの取れた天然由来成分はそのまま活かすのがやはりベストです!

MCTオイル製品を選ぶ際の注意点

MCTオイルは中鎖脂肪酸のみを人工的に抽出したオイルですが、注意したいのは、その含有バランスがメーカーによって違う点です。

価格の安い製品は、ひょっとするとC10カプリン酸100%かもわかりませんし、それともC6やC8も混合されているのかどうか、それらの比率はどうなのか?

これらの点を良くラベルや店員さんに確認した上で選ぶようにするのが良いでしょう。

摂取量はどう考える?

まだMCTオイルの過剰摂取によって起きた被害や副作用はクリアには報告されていません。しかし、メーカー摂取基準では、一日にテーブルスプーン1~3杯というのが大体のガイドラインなので、それに従っていれば問題ないのかと思われます。

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MCTオイルとココナッツオイルの違いまとめ

MCTオイルとココナッツオイルの違いについてフォーカスしてみましたが、おわかりになりましたでしょうか?

少し、MCTオイルの成分についてもっと注意しましょう!という内容に終盤偏ってしまった感じはありますが(汗)、一言でMCTオイルといっても、注意すべき点もあるんだ、という事も参考にしていただけたら嬉しいです。

ちなみに、私個人的にはやっぱり「ココナッツオイル」派なんです。というのも、健康状態もほどほど標準体だと思っているので、無理して高いお金を払う必要もないな、と天然由来の成分をそのまま摂りたい、と考えているからです・・。

(By ゼウス23世)