はじめに
なんとなく体がだるい、肌荒れが気になる、集中力が続かない…。
そんな不調が続いている方は、もしかすると「ナイアシン」が不足しているかもしれません。
ナイアシンという栄養素は、体のさまざまな働きに深く関わっています。
今回は、ナイアシンの効果や欠乏症、そして毎日の食事で意識したいナイアシンが多い食品について、分かりやすく解説いたします。
ナイアシンの効果とは?
ナイアシンはビタミンB群の一種で、ビタミンB3とも呼ばれます。
主な働きは、体内でエネルギーを作る代謝をサポートすること。
脂質や糖質、たんぱく質の代謝に欠かせない補酵素として、約500種類もの酵素の働きを助けています。
また、以下のような効果も期待されています。
- 脳内の神経伝達物質の合成や調整に関与し、精神を安定させる
- アルコールの分解を助け、二日酔いの原因物質を分解する
- 血管を拡張し、血行を良くする
- 肝臓での脂質合成を抑える
- ビタミンCと協力して発がんを抑制する働きも
- 心疾患や脳卒中の予後改善
ナイアシン欠乏症とは?症状やリスクを知ろう
ナイアシンが不足すると、体の代謝がうまくいかず、さまざまな不調が現れます。
代表的な欠乏症は「ペラグラ」と呼ばれ、以下のような症状が特徴です。
- 日焼けのような暗赤色の発疹(特に手足や首、顔など日光に当たる部分)
- 口内炎や舌の炎症(いちご状舌)、消化管の不調
- 疲労感、不眠、無関心、うつ症状
- 進行すると錯乱や記憶障害などの神経症状
特に、たんぱく質やトリプトファンが不足している食生活や、アルコールの多飲、ストレスが多い生活ではナイアシンが消耗しやすくなります。
欠乏症を防ぐために摂りたいナイアシン豊富な食べ物
ナイアシンは体内でも一部合成されますが、効率が悪いため食事からしっかり摂ることが大切です。
ナイアシンが多く含まれる食品は次の通りです。
魚介類
かつお節、かつお、たらこ、マグロなど
肉類
鶏ムネ肉、豚レバー、牛肉など
きのこ類
しいたけ、まいたけ、しめじなど
穀物
玄米、全粒粉パンなど
特に魚介類や肉類はナイアシンの含有量が多く、日常の食事に取り入れやすい食材です。
また、ナイアシンは熱に強いですが、水溶性のため、調理の際は煮汁ごと食べるなど工夫すると無駄なく摂取できます。
- 魚介類:かつお節、たらこ、まぐろ、かつおなど
まとめ
ナイアシンは、エネルギー代謝や精神の安定、アルコール分解など、体のさまざまな働きを支える大切な栄養素です。
不足するとペラグラなどの欠乏症を引き起こし、健康に大きな影響を及ぼします。
魚や肉、きのこ類などナイアシンが多い食べ物を意識して取り入れ、バランスの良い食生活を心がけましょう。
毎日の小さな工夫が、元気な体をつくる第一歩です。