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飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の違い!間違いやすい両者の関係!

 2016/03/15 長寿の油
この記事は約 6 分で読めます。

「飽和脂肪酸」は化学的に安定していて、脳やカラダのエネルギー源として使われると言います。

ですが、牛や豚の肉類脂に多かったり、バターやラードにも多く含まれていて、摂りすぎはカラダに悪いというイメージがあります。

一方、同じく評判が悪いのが「トランス脂肪酸」

「食べるプラスチック」などとも呼ばれます。

この飽和脂肪酸とトランス脂肪酸。2つとも同じ脂肪酸で摂るとよくないと言われているものなので、混同しがちです。

  • それぞれトランス脂肪酸、飽和脂肪酸とは何か
  • 両者の違いは何でしょうか?
  • 本当に摂ったらダメなのはどっち?

 などについてご紹介していきます。

この記事の目次

全然違う飽和脂肪酸とトランス脂肪酸

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飽和脂肪酸とは

脂肪酸は大きく二種類に分けることができます。「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」です。脂肪酸には多くの炭素が含まれています。この炭素が二重結合しているものを不飽和脂肪酸、二重結合がないものを飽和脂肪酸と呼んで大きく区別されています。

飽和脂肪酸の働き

飽和脂肪酸は、中性脂肪やコレステロールを増やします。

血液の粘度を高めて、いわゆるドロドロ血液のもととなってしまいます。また、悪玉コレステロールの合成も促すので、摂りすぎると動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病を招く恐れがあるとされています。

しかしながら、適量であれば身体にとても必要なエネルギー源となるので、摂取バランスがとても重要なポイントとなります。

代表的な飽和脂肪酸

■ ココナッツオイルに多く含まれる・・・『ラウリン酸』『ミリスチン酸』

■ その他 『パルミチン酸』『ステアリン酸』 これらは、動物肉の脂肪に多いもので、これらは中性脂肪や悪玉コレステロールを増やすとされています。摂り過ぎには注意!

トランス脂肪酸とは

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一方、トランス脂肪酸とは、大きくは不飽和脂肪酸の仲間になります。

なので、この時点で、飽和脂肪酸とは大きく違います

脂肪酸は炭素、水素、酸素で構成されます。そして炭素と水素の結びつきで、飽和脂肪酸か不飽和脂肪酸とに分かれます。

不飽和脂肪酸には、炭素と水素の結びつきが不飽和(びっしりとくっ付き合っていない)な部分が残っていますが、その不飽和な部分がどのように水素と結びついているか、その形で、トランス型とシス型に分けられます。

炭素の二重結合をはさんで反対側に炭素がついているものをトランス型同じ側についているものをシス型と言って区別しています。

参考: 山崎製パンHP
https://www.yamazakipan.co.jp/company/trans_fat/index2.html

つまり、シス型、トランス型とわかれるのは、「不飽和脂肪酸」だけ。ですので、飽和脂肪酸と、トランス脂肪酸はまったくの別モノであるということがおわかりいただけると思います。

 

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トランス脂肪酸には自然のものと人工的なものがあります

【1】自然由来のトランス脂肪酸とは

牛やヤギなどの反芻(はんすう)動物の肉や乳にトランス脂肪酸が含まれています。しかし、これら天然動物の肉や乳に含まれている自然由来のトランス脂肪酸においては、健康被害の報告はなされていません。比較的安全なトランス脂肪酸です!

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【2】危険なのは、人工的なトランス脂肪酸!

液体の植物油を人工的に固形化するときにトランス脂肪酸が発生します。

また、植物油を200度以上の高温で処理し、脱臭、脱色する過程において、トランス脂肪酸が発生します。そのため工業的に作られる油脂のマーガリンやショートニング、さらにサラダ油やキャノーラ油がトランス脂肪酸を含んだ代表的な食品といえます。

脂肪のとりすぎ

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私たちの体は、食事から摂取した糖質、脂質、タンパク質をエネルギー源として用いています。このエネルギー源を100とした場合の脂肪エネルギー比率の目標値は、18~29歳までの男女で20~30。30歳以上の男女で20~25未満とされています。

「日本人の食事摂取基準(2010年版)」より

しかし、厚生労働省が発表した平成19年に実施したた国民健康・栄養調査の結果によると、20歳以上の男性で20.6%、女性で28.1%もが脂肪エネルギー比率30を超えているとの報告がなされています。

また年々、脂肪エネルギー比率が30を超える日本人の人口が全体的に増えていっているといった状況がわかってきています。

飽和脂肪酸のとりすぎ

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飽和脂肪酸からのエネルギー摂取も増えています。

私たち日本人の適切な「飽和脂肪酸」からのエネルギー摂取を18歳以上の男女で4.5~7.0%未満が目標とされています。

しかし、これに対し農林水産省が試算した推定では、22歳以上の男女で8.2%にも達していると試算されました。私たち日本人が飽和脂肪酸を摂りすぎる傾向にあることが問題視されています。

トランス脂肪酸の摂りすぎ

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トランス脂肪酸は今のところ、厚生労働省、農林水産省ともに、摂取基準をもうけていません。

しかし、欧米では当たり前のように、トランス脂肪酸に対する摂取を控えるように警告をしています。

農林水産省が行った調査からは、バランスの良い食生活を心がけていけば、トランス脂肪酸の摂取量は脂肪エネルギー比率1%未満に抑えることができると試算され、今のところ国際的に問題となっている目標量はクリアできるとしています。

しかし、こんなにも食文化の欧米化が進む中、本当に大丈夫なのか?という懸念は残ります。

そのためか、日本においてはトランス脂肪酸の摂ることよりも、総カロリーや総脂質、または飽和脂肪酸の過剰摂取の方にだけ、注意が行っているような気がします。

本来であれば、欧米のように、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の両方に気を配らなければならないのではないでしょうか?

トランス脂肪酸の表示

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トランス脂肪酸と呼ばれるものは、細かく分ければ多くの種類があることがわかってきています。

また、現時点では、食品に含まれているすべてのトランス脂肪酸量を正確に測定する方法が確立されていません

そのため、食品に含まれているトランス脂肪酸量の表示をしなければいけない国であっても、測定可能なトランス脂肪酸、または主要なトランス脂肪酸の合計量を表示すればいいということになっています。(農林水産省HPより)

まだまだ隠れたトランス脂肪酸があるかも知れない、そして、日本は判別できるトランス脂肪酸量すら、表示しなくて良い、という先進国の中では少し呑気にみえる国なのです。

飽和脂肪酸、トランス脂肪酸まとめ

参考:農林水産省HP
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_care.html
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_torikumi/red.html

悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすこと、さらに、冠動脈疾患のリスクを高めることが指摘されている飽和脂肪酸。ですので、摂取を控えるようにしている方も多くいられます。

なので、「避けるべき飽和脂肪酸の親玉が、憎むべきトランス脂肪酸だ」といった解釈も見たことがありますが、この二つの脂肪酸は全くの別ものです。

しかし、飽和脂肪酸には飽和脂肪酸の役割があり、摂取量を考えていけば、カラダにとっては必要な脂肪酸。

本当に避けなければいけないのはトランス脂肪酸の方なので(なぜなら、トランス脂肪酸のメリットは聞いたことがない)・・・

ぜひ、それぞれの違いは覚えておいてくださいね。

 関連記事 
▶ トランス脂肪酸の表示規制!日本は野放し、アメリカ諸外国は素早い対応‼

(By ゼウス23世)

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天上および人間世界を支配する、全知全能の神ゼウスの末裔。
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