グルテンアレルギーとは?症状、検査方法って?あなたは大丈夫?
テニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手によって、日本でもその存在が一気に広まった「グルテンアレルギー」
彼はその著書で、グルテンを完全に排除する食事法によって、一段と体調がよくなり大活躍できるようになったのだとか・・
お米中心の食事をしている私たちにとって、馴染みの薄かったグルテンですが、日本にも潜在的な患者数がいると言われています。
よく知らずに、今までのカラダの不調は実は、グルテンアレルギーが原因だったのでは?という方もいるかもわかりません?
今回は、グルテンアレルギーについて、その怖い実態や改善の方法、またセルフチェックの行い方、検査方法などを、見て行くことにします。
この記事の目次
グルテンとは?
まずそもそもグルテンとは何なのでしょうか?
グルテンとは、小麦など穀物の胚乳から作られるタンパク質の一種です。グルテンが入っていることによって、パンやパスタなどがほど良く膨らみ、特有の食感、弾力性が生まれます。
多くの穀物に含まれる「グリアジン」と「グルテニン」という成分が、水とあわさることによって、グルテンが生成されます。
そのグリアジンや、グルテニン成分は、小麦以外にも、広く大麦やライ麦にも含まれますので、グルテンを完全に避けるには、現代人の食生活からはそうとうに難しくなっているのも事実です。
グルテンにより引き起こされるアレルギーや病気
グルテンによって引き起こされる体の不調。その原因となっているのは、以下の3種類。
(1) グルテンアレルギー
もっともはっきりと分かりやすいのがこの「グルテンアレルギー」
グルテン物質を一定以上摂取することによってカラダの免疫反応が過剰にあらわれ、アレルギー症状を起こします。
その過剰なアレルギー反応は、グルテンを摂取するとすぐに表れ、早い段階で不調が起こるために分かりやすいのがこのグルテンアレルギーです。
(2) グルテン過敏症(グルテン不耐症)
グルテンアレルギーに比べ、遅く症状が現れるのが、このグルテン過敏症(不耐症)と言われるタイプです。
症状としては、グルテンアレルギーと同じなのですが、グルテンに対する耐性が少なく、カラダの反応をきたす時間にズレがあるのがこのグルテン過敏症と呼ばれるものです。
食べてすぐに症状が出ないので、分かりにくい、他と原因かと間違いやすいのが難点です。また、グルテンアレルギーとの合併症も引き起こしやすいのも特徴とされています。
(3) セリアック病
いまだ因果関係が明らかにされていないのが、セリアック病。
特有の遺伝子をもった人がグルテンを摂取することによって、この病気が発症されると考えらえています。このセリアック病は、小腸の組織や絨毛(じゅうもう)と呼ばれる小腸の突起が損傷してしまう病気です。
結果、食べたものの消化、栄養吸収が悪くなり、下痢や腹痛などの原因となるだけでなくひどい場合には、うつ病やパニック障害をも引き起こす可能性があるとされています。
あなたは大丈夫?セルフチェックリスト
以上グルテンアレルギーなど関連の3つの病気をご紹介しましたが、もし以下のような症状があるのであれば、一度グルテン関連症をうたがってみた方が良いかもわかりません。
- 腕や背中に小さなブツブツができてしまう
- 頭が重く、スッキリしない
- 下痢などの消化器系のトラブルがよく起こる
- めまいがし、平衡感覚を失ってしまう
- 頭痛がする
- 腰や肘、膝など関節の痛みが出る
- 気分にむらがある、イライラしたり不安になったりを繰り返す
- 生理周期の乱れなど、ホルモンバランスが安定しない
- もともと免疫疾患をもっている
- 体がだるい、いつも体調が晴れない
もし、小麦を食べた後だけでなく、普段から以上のような不調に悩まされているのならセリアック病の可能性があるかもわかりません。
もちろん、小麦製品を食べた後、すぐに症状がひどくなる、またよくこの症状が出るという方は、食後の時間もふくめて注意深く観察してみてください。
時間の経過もふくめて、一番わかりにくいのが『軽度のグルテン過敏症』です。
ですが、今この過敏症は、日本でも30代〜50代の女性に増えていると言われていますから注意したいものです。
きちんとした検査方法も
チェックリストを見て、もし当てはまるかも…と思ったあなたは、一度、病院できちんとした検査を行ってみることも可能です。
アレルギーや過敏症の検査には種類があって
【1】 IgE抗体検査 (即時アレルギー検査)
【2】 IgG抗体検査、IgA抗体検査 (遅延型アレルギー検査)
がそれぞれあります。
【1】 IgE抗体検査(即時アレルギー検査)は、保険も適用になる検査です。
一方、【2】遅延型のIgG抗体検査、IgA抗体検査の方は、一般的なアレルギー検査とは異なるため、検査を受けられる機関が限定されます。また、保険が適用されないので、検査費用として4~万円もかかってしまうこともあります。
検査に際して、まずは症状が出る場所によって、
- 皮膚にアレルギー反応が出るなら皮膚科
- 鼻水など鼻炎症状なら耳鼻咽頭科
特に思い当たる節が無い場合はまずは内科で相談するようにしましょう。
しかし、遅延型のIgG抗体検査、IgA抗体検査の方は、専門のアレルギー科がある病院に行く必要があるかもわかりませんが、一度もよりの病院でまずは相談することをお勧めします。
グルテンアレルギー、過敏症を改善するために
ジェコビッチ選手が行っている「グルテンフリーの食事」
これが一番の近道になるのでしょう。
多くの患者は、グルテンを含まない(グルテンフリー)食品を摂る事で症状悪化を防ぐことができて、小腸の機能も回復させることができます。
ですが、生涯にわたりグルテンフリーの食事を続ける必要があります。
身の回りには多くのグルテン商品で溢れていますので、栄養士さんの助言をもらい回避すべき食品のリストをつくる必要があります。
自己流でグルテンを完全に回避するのは、とても難しい事です。
そんな中、今、そんなグルテンの代わりとして世界的にも注目されているのが、日本食なんです。
なかでも「米粉」に注目が集まっています。
小麦を使った食品の多くを米粉で代用することができ、食感も失われません。
まずは2週間ほど、米粉を使った日本食を続け、意識的にグルテンを避けて体調の変化など様子をみてみては如何でしょうか?
参考記事
▶ 人気のグルテンフリーパンレシピ!オーブン以外の簡単作り方も!
グルテンアレルギーまとめ
アメリカでも7%の人口が何らかのグルテンアレルギーで悩まれていると言われています。
また、実は55種類以上の病気が小麦粉やライ麦などのグルテンが関わっているという情報もあります。
それほどにグルテンアレルギー、過敏症は私たちの身の周りに多く存在しているのかもわかりません。
アレルギー検査については、まだまだ普及してなくて、限られた病院で、しかも高額な検査費用がかかることは残念です。
はやく全容がもっと解明されることを祈りたいですね。
(By ディオニソス)