必須脂肪酸アラキドン酸を多く含む食品13選!摂取の注意点は?
アラキドン酸を多く含む食品として代表的な物には、肉類、魚類、レバー、卵などの動物性食品があげられます。一般的な食事をしている人であれば1日に150㎎ほど摂取していると考えられています。しかし、極端なダイエットなどで動物性食品を控えている人はアラキドン酸不足になりやすい状態にあります。
- アラキドン酸の役割は?
- 不足するとどうなるの?
- 赤ちゃんに大切だって効くけど・・
- アラキドン酸を多く含む食品とは?
などなどについて、今回はご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
アラキドン酸とは?
アラキドン酸は、オメガ3のDHAやEPAなどと同じく必須脂肪酸の一つで、カラダの細胞膜を構成する重要な成分です。
オメガ6脂肪酸のリノール酸を原料として体内で合成されます。
特に脳の神経細胞の細胞膜を作っているのがこのアラキドン酸と言われており、乳児における脳の発育分野でも今、注目を集めています。
この成分は、食べ物では、肉類や魚介類、レバー、卵、そして母乳にも多く含まれていますが、植物からはほとんど摂取することができません。
また、アラキドン酸はリノール酸から体内合成されますが、乳児や高齢者はこの働きが弱いため、アラキドン酸そのものを食事から摂る必要があります。
とくに老人は食事量が減ることが原因で、アラキドン酸の摂取が難しくなり、乳児は母乳で育てることが減ったことが要因であると、指摘されています。
老人にはサプリメントで、乳児には母乳または、アラキドン酸を添加した粉ミルクを使うようにしましょう。
胎児や乳幼児に不可欠なアラキドン酸
脳全体における神経細胞の数は千数百億にも達すると言われています。複雑な脳の神経回路は、神経細胞を通じて大量の情報を瞬時に処理していきます。
この高度な脳の機能は赤ちゃんがお腹の中にいる時に、爆発的なスピードで形成されはじめ、乳児のころまでその脳機能の成長が続きます。
アラキドン酸は神経の新生、細胞の成長に重要な成分のため、胎児や乳児のこの脳の発育時に欠かすことのできないものと言えます。
2000年に発表されたアメリカの研究では、DHAとアラキドン酸を加えた粉ミルクを飲んだ乳幼児は、無添加のものやDHAだけのミルクを飲んだ乳幼児よりも、記憶力、問題解決能力、言語能力ともに、発達していることが認められたそうです。
そのため、国連食品規格委員会は、乳児用粉ミルクに「アラキドン酸」の添加、配合を推奨するようになりました。
ただし過剰摂取はNG
アラキドン酸は、胎児や乳児の時期にはとても大切な成分である一方、過剰摂取の問題も指摘されはじめています。
欧米化した食文化の変化にともない、私たち一般日本成人によるアラキドン酸の摂取量がこの50年で4倍にもなったと言われています。
脳の発育に欠かせない重要な成分でもありますが、その一方でアラキドン酸を過剰に摂取することが、「大腸ガン」、「前立腺ガン」、「皮膚ガン」、「動脈硬化」、「アレルギー性湿疹」、「アトピー性皮膚炎」など神経系の現代病を引き起こすとも言われていて、アラキドン酸の摂りすぎには注意をする必要があります。
しかし、極端なダイエットによって、アラキドン酸が欠如すると、逆に物忘れを起こしたり、集中力が低下したりするなどの症状があらわれることもありますので、やはり適切な量を摂ることが重要になります。
▶オメガ6リノール酸を多く含む食品ランキングはこちらです。
リノール酸が多く含まれる食品15選!ガン研究センター調べ
アラキドン酸の効果とは?
脳細胞の発育だけでなくアラキドン酸は、私たちのカラダの機能にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
【1】 免疫機能の調整機能
アラキドン酸は、プロスタグランジンの材料となります。体内酵素によりプロスタグランジンに作り替えられます。
プロスタグランジンは生体調整ホルモンの一種で、カラダの免疫機能を調整する機能を持っています。
【2】 学習力や記憶力を向上させる効果
最近の研究によって、大人になってからでも、神経新生が起こっていることが明らかになりました。そのため、脳神経細胞の主要成分であるアラキドン酸には、大人であっても学習力や記憶力を向上させる効果が認められています。
また、神経細胞間の情報伝達に大切なものに細胞膜があります。アラキドン酸には柔軟で敏感な細胞膜を保つ働きがあります。
【3】 高血圧予防の効果
先にも述べた通り、アラキドン酸はプロスタグランジンの材料となります。生体調整ホルモンの一種であるプロスタグランジンは、血圧をコントロールする働きがあります。
【4】 コレステロール値を下げる効果
プロスタグランジンは様々な理由により上昇してしまった血中コレステロール値を正常にまで下げてくれる働きがあります。
アラキドン酸を多く含む食品ベスト13!
アラキドン酸は野菜や果物にはほとんど含まれてなく、動物性食品に多く含まれています!それではアラキドン酸が多い順に、食品13選をご紹介いたします。
(データソース: National Health and Nutrition Examination Survey 2005-2006)
ランキング | 食品(種類) | 摂取貢献度(%) |
---|---|---|
1 | チキンとチキン関連料理 | 26.9 |
2 | 卵と卵ミックス料理 | 17.8 |
3 | 牛肉と牛肉ミックス料理 | 7.3 |
4 | ソーセージ、フランクフルト、ベーコン、リブ | 6.7 |
5 | 魚と魚ミックス料理 | 5.8 |
6 | ハンバーガー | 4.6 |
7 | コールドカット(ボローニャ、ハム、サラミ) | 3.3 |
8 | 豚肉と豚肉料理 | 3.1 |
9 | メキシカン料理 | 3.1 |
10 | ピザ | 2.8 |
11 | 七面鳥、ターキー料理 | 2.7 |
12 | パスタとパスタ料理 | 2.3 |
13 | 穀物ベースのデザート | 2.0 |
アラキドン酸まとめ
アラキドン酸は、現代病の原因と言われる一面もあったり、乳児を抱えるママにとっては超重要な成分だと言われる一面もあったりで、よくわからないという方も多かったのではないでしょうか?
アラキドン酸は、大切なオメガ6脂肪酸で脳神経だけでなく、カラダの至るところに作用するプロスタグランディンの大切な材料にもなります。
ただし、昨今大きく取り上げられているオメガ3脂肪酸とのバランス問題からも適正量の摂取が重要だと言われています。
オメガ3をしっかり増やして、オメガ6も適正量をきちんと摂る。これが今、一番課題とされている大切な食事法となのだと言えると思いますね。
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(By ゼウス23世)