リノール酸が多く含まれる食品15選!ガン研究センター調べ
アトピー性皮膚炎や、花粉症の改善にも、オメガ6脂肪酸「リノール酸」を取り過ぎないように!といった注意を目にすることも多くなったと思います。
最新の健康に及ぼす脂肪酸論議の中で、この不飽和脂肪酸である「リノール酸」は、必須脂肪酸でありながらも、体内でアラキドン酸に変化したり、加熱による変質などが話題になっています。
いずれにしろ、リノール酸は必要だが、取り過ぎはよくないっていうこともメディアなどで多く目にする機会も増えました。
植物油や肉などに多いというリノール酸を多く含んだ食品について15選をご紹介していきたいと思います。これは、米国のガン研究センターで調べられた国民調査の結果、食品リストにも基づいた正式な資料を参考にしています。
また、私たちが知らずに摂っているリノール酸食品に対する考察、諸問題も追加しています。
この記事の目次
リノール酸を多く含んだ食品アイテム15選
National Cancer Institute |米国ガン研究センター調べ
ランキング | 食品(フード)種類 | 入口貢献(%) | 累積貢献(%) |
---|---|---|---|
1 | 鶏肉および鶏肉料理 | 9.3 | 9.3 |
2 | 穀物ベースのデザート | 7.5 | 16.8 |
3 | サラダドレッシング | 7.4 | 24.2 |
4 | ポテト、コーンなどチップス | 6.9 | 31.2 |
5 | ナッツ、シード及びナッツミックス料理 | 6.5 | 37.7 |
6 | ピザ | 5.3 | 43.0 |
7 | イースト酵母パン | 4.5 | 47.5 |
8 | フライドポテト | 3.5 | 51.0 |
9 | パスタ料理 | 3.5 | 54.6 |
10 | メキシカン料理 | 3.3 | 57.9 |
11 | マヨネーズ | 3.1 | 61.0 |
12 | クイックブレッド(※) | 3.0 | 64.0 |
13 | 玉子および卵料理 | 2.8 | 66.8 |
14 | ポップコーン | 2.6 | 69.4 |
15 | ソーセージ、フランクフルト、ベーコン | 2.1 | 71.5 |
(※)クイックブレッドとは、ベーキング・パウダーやベーキング・ソーダを加えて短時間で作るパン食品のことです。
【表の見方】
- 入口貢献(%)とは、直接口にすることによって、摂取する度合い
- 累積貢献(%)とは、頻繁に摂取することによって、体内で累積していく度合い
であると理解するのが良いでしょう。いずれも、米国ガン研究センターの独自指標で算出しています。
その他にも、入口貢献1%代の食品としては、魚料理、マーガリン、ハンバーガー、クラッカー、米料理、牛肉、ジャガイモ、豆、お菓子などがあげられています。
リノール酸って?
体内でつくり出すことができない必須脂肪酸の一つで、多価不飽和脂肪酸のオメガ6(ω6)の大元(親)となる脂肪酸になります。リノール酸から体内で「ガンマ・リノレン酸」や「アラキドン酸」など他のオメガ6脂肪酸が作られます。
オメガ3必須脂肪酸アルファリノレン酸とともに、必ず摂取する必要のある必須脂肪酸ですが、先進国の食生活では、取り過ぎが指摘されていて、カラダの炎症性を高めたり、多くの健康上の問題を引き起こすと言われています。
リノール酸を多く含んだ食品15選、何が原因なのか?
ガン研究センター調べのリノール酸を多く含む食品15選をご紹介しましたが、これらの食品、料理の何が引き金になっているのでしょうか?
その答えは、ずばり
- 調理に使用される植物油
- ナッツ・種子類
がリノール酸の供給源(多くなる原因)と言えます。
<使われる植物油の問題>
リノール酸を多く含む植物油として、まずは、ひまわり油、コーン油、大豆油、サフラワー(紅花)油があげられます。続いてごま油も。
ひまわり油には、大さじ当たり約9g、コーン油や大豆油で7gのリノール酸が含まれています。これらの油によってよく調理される肉やドレッシング、チップス、パスタなどといった食品が私たちのリノール酸過多を招いているのです。
日本にしかない植物混合油である「サラダ油」は大豆油とキャノーラ油を混ぜたものが現在の主流ですが、この「サラダ油」も日本では、リノール酸を増やしている大きな原因となっていると思われます。
<ナッツ、種子類>
リノール酸含量量の高いナッツとしては、ブラジルナッツ、ヒマワリの種、松の実などがあげられます。
松の実は、イタリアン料理などで、生のままトッピングすることも流行りですが、取り過ぎはやはりリノール酸過多を産む結果となるでしょう。
摂りすぎだけじゃない、もう一つの重要な問題!
その問題とは、『ヒドロキシノネナール』の問題です。
日本では、価格のメリット(安い!)も勿論ですが、時間が経ってもベチャっとしないカラッとあがるという理由から「サラダ油」が実に多くの飲食店で使われています。
このリノール酸の多いサラダ油ですが、発煙温度を超える加熱を続けたり、使い回したりといった連続使用によって、「ヒドロキシノネナール」という ”毒素”が出るのはご存知でしょうか?
この「ヒドロキシノネナール」は、脳海馬や小脳に影響を起こし、認知症を誘発する元凶ではないか、ということも最新の研究で多く議論されてきています。
しかも、日本の飲食店では、大きな鍋や揚げ物トレーに油を入れて ”繰り返し” 使っているところも多く見受けられます。
長時間熱し続けた油が、「ヒドロキシノネナール」を量産してしまっている!?
それを聞くとなかなか、外食がしずらくなるのは私だけではないと思います。
リノール酸が多い食品まとめ
リノール酸を多く含む注意すべき食品リストをご紹介しました。リノール酸は私たちのカラダに必要で、外から摂取するしかない必須脂肪酸です。
しかし現代の生活においては、自然に充分すぎるほどリノール酸は摂れていて、特段意識をして摂る必要がないと言われる理由が少しはお分かりになったかと思います。
一方、同じく必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸が、リノール酸の摂取量に比べて極端に少なくなっていますので、このオメガバランスの欠如が大きな課題となっています。この改善のためにも、オメガ3脂肪酸を更に積極的に摂っていくようにしたいものです!
参考記事
▶ まだ国産派!?国産亜麻仁油を調べ続けてわかった3つのこと!
▶ キャノーラ油、まだ使いますか?トランス脂肪酸+αの怖い話とは
▶ 日本にしかないサラダ油って何?トランス脂肪酸との関係は?
▶ 米油にはトランス脂肪酸が少ない?多い?知っておきたい米油の安全性
(By ゼウス23世)