サラダ油って何?日本にしか無い食用油、トランス脂肪酸との関係は?
知っていましたか?
サラダ油っていう言葉はこの日本以外、世界のどこにもありません。
もう一つ言うと天ぷら油も。
トランス脂肪酸の存在が、世界で問題になっています。
しかし、日本では、このトランス脂肪酸に対する規制がゆるく、まだサラダ油、てんぷら油もいっぱい店頭で販売されています。
- なぜ?
- 本当に大丈夫なの?
植物油に対する健康意識は年々に高まりを見せています 。
今回は、そんな疑問に答えて、サラダ油の真相を見ていきます。
この記事の目次
日本にしかないサラダ油って何モノだ?
サラダ油は、日本独自のもので、中身は複数の植物油の混ぜ物です!
なぜ独自の油が生まれたのか?
日本で今日用いられている「サラダ油」の歴史は意外と古く、1924年(大正13年)に日清製油(現在の日清オイリオ)が発売した「日清サラダ油」になります。
当時欧米では、生野菜に酢と塩と油をあえて食べるサラダが流行していて、透明度が高くて、冷やしても白濁しにくい油ということで、日清製油が開発、販売したのがきっかけ、ということになっています。
(引用:Wikipedia)
サラダ油の定義
日本では、「サラダ油」に対する定義が日本農林規格(JAS)により決められています。
JAS規格の中にある原材料を用いて、かつJAS認定工場で製造されたものでなければ「サラダ油」を名乗ることは出来ないと定められています。
認定されているサラダ油は、以下の9種から絞る油になり、これらの油を少なくとも2種類ブレンドしたものが「サラダ油」として販売することが可能でになります。
「調合サラダ油」なんて、製品名としてはラベル表示がされていますよね。
サラダ油としてブレンドできる植物油9種類
- 紅花油
- ひまわり油
- 綿実油
- 大豆油
- コーン油
- ごま油
- コメぬか油
- 落花生油
- キャノーラ(菜種)油
ですが、今では市場に売られている大手製品の大半は、大豆油とキャノーラ油の2種類のみをブレンドしたものが「調合サラダ油」として売られています。
日本では作る企業が決まっている
サラダ油をつくれる業者は認定業者だけです。しかもそれが JAS 法によって決まっているんですから不思議ですよね。
そこまでして、日本にしか無い「サラダ油」をどうどうと定めているのも面白い気がしますね。よっぽど、国が認めた業者だけががつくる”安心・安全な油”ということなのでしょうか?
気になるトランス脂肪酸の量について
業界大手2社のうち、日清オイリオだけはそのウェブサイトにて、製品100g中のトランス脂肪酸の含有量が公表されています。
商品 | 100gあたりトランス脂肪酸 |
日清サラダ油 | 1.5 g |
日清キャノーラ油 | 1.5 g |
ヘルシーリセッタ | 1.5 g |
日清ヘルシーベジオイル | 1.3 g |
日清ヘルシーライト | 1.0 g |
ヘルシーコレステ | 1.0 g |
日清べに花油 | 0.3 g |
出展:日清オイリオ
もう一社の業界トップである「Jオイルミルズ(味の素)」のホームページには一切のデータ公表はありませんでした。
世界が動き出しているトランス脂肪酸規制
ヨーロッパの一部、アメリカでも始まったトランス脂肪酸の使用規制ですが、なぜ日本では規制がされないのか?
日本の農林水産省では、トランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギー摂取量の1%未満、1日当たり約2グラム未満の摂取上限が目標とされています。
まだマーガリンやショートニングに比べると、サラダ油の含有量はまだ少ないので、とりわけ騒ぐレベルでもないということなのでしょうか?
しかしながら、基準設定だけではなく、米国のように各商品への「表示義務」を、しっかりと設けていただきたいものだと思います。
トランス脂肪酸は少しでも食べると 240日間(8カ月)カラダの中から消えません!
カラダの細胞、細胞膜は脂肪酸でできています。特に細胞の多数を占める脳細胞に関しては、約60%の成分が脂肪酸からできています。
しかも、カラダの細胞は95%が約半年で新しく生まれ変わるのに対して、トランス脂肪酸は一度食べたら240日、8カ月間も体内から完全には消えないのだそうです。
つまり、毎日 2 g まではOKだからと言って、毎日摂っていると、240日間はカラダの中で堆積が続き、合計 480 gが最大カラダの中に残る?という計算になります。
これは極端な例えにしても、やはり早期にトランス脂肪酸の人体への影響を明らかにし、またマーガリン、ショートニング製品を含め、”しっかりと表示義務”を設けていただきたいものだと思います。
トランス脂肪酸以上に怖い?劇薬の使用と遺伝子組換えの原料
こちら▶知っておきたい米油の安全性の記事でも紹介しましたが、キャノーラ油も、大豆油も、毒性のある溶媒「ヘキサン」を使用し、油が搾られています。
加えて、キャノーラ油の原料となる「菜種(なたね)」は、その90%以上が遺伝子組み換えによって作られた作物であることは業界の間では有名な話しです。
各社よる製造工程の中身までは明らかにされていませんが、JAS法の規約の中に、以下の図が一般工程との説明がありました。http://www.famic.go.jp/
複雑な工業抽出のプロセス
要はこの工程の中で、それぞれの基準値を守ること、というのが当センターからの通達趣旨のようですが、この工程を見ただけで、私自身はぞっとしました。
実にこれだけの多くの「溶剤」「脱色」「脱臭」のプロセスと薬剤が使われているということなのです。
この製法でつくる調合油のサラダ油は、一体どういうものなのか、トランス脂肪酸の存在もそうですが、もっと怖い話しだと思わざるを得ないのです。
サラダ油トランス脂肪酸まとめ
サラダ油や天ぷら油など、固まらない悪くならない精製油の怖さを少しはわかっていたつもりですが、こういった油が大正時代から日本では売られていたんですね。
今のおじいちゃん、おばあちゃんの世代、高度成長時代の子供たちは、この油分をせっせと食べていたということです。
加えて、原料の遺伝子組換え問題が重なると、もうこの油の使用については考え直す時代が待ったなしに来ているのかもわかりません。
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(By ゼウス23世)