チアシードに毒!?ネットに潜む噂、情報5件を調べてみた!
米国帰りの友人Aを交えてのある女子会にて。
A子: 日本ではなぜチアシードを水に浸すスタイルが多いのかしら?
B子: なんでって、毒があるからでしょ?
私 : えっ、毒!?はじめて聞いたわ。
B子: ネットで見たわ。危険だから、ちゃんと調べておいた方が良いわよ!
えっーーー!
恥ずかしい話ですが、私の中ではチアシードは水に浸した方が、ふやけて食べやすいし、吸収が良いからなのだろうとの認識しかありませんでした。それにしても毒だなんて・・
で「チアシード_毒」ってネット検索してみると確かに、「生チアシードに発芽毒」「ミトコンドリア毒の危険性」などといった文字があふれ出てるではないですか・・
うーーん、
けど、これって本当にそうなのでしょうか? ならば、今まで生で食べてたのは全部危険?
ひょっとして、ただの噂レベルの話?
などとすごく不安に思ったので、この発芽毒の噂をふくめてチアシードに関する過去からの疑問についても、海外サイトも含めて色々調べ直してみることにしたのです。
今回は、その調べてみたことについて、あなたへもご紹介をさせていただきたいと思います。
この記事の目次
日本ネット情報に流れるチアシードの噂話
日本でのチアシード人気はここ数年で急に火が付きました。個人的にはオメガ3脂肪酸の流れなのだろうと思っていますが・・で、人気の割にまだ歴史の浅い「チアシード」についてはネットでもいろいろな噂や情報が広がってきています。
そんな中でも、今回フォーカスさせていただいたのは以下の5点です。発芽毒を含めて前から気になっていたものだけをまずはセレクトさせて頂きました。
❏ チアシードの持つ毒性について ❏ 水分の吸収率(チアシードの膨張率)について ❏ ホワイトチアシードがより高い栄養素を持つという情報 ❏ サルバチアシードはホワイトチアシードと同じ意味か? ❏ チアシードが高温調理に向かないという話 |
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では、これらについて調べた結果について、順にご説明していきますね。
とっても気になるチアシードの噂&情報5選
【1】 チアシードの持つ毒性について
まずは、ネットで大きな影響を与えている「生のチアシードには発芽毒と呼ばれる毒素が含まれており、この毒素が細胞小器官のミトコンドリアに悪影響を及ぼすので、健康に害を及ぼす」というお話しからです。
このチアシードに含まれる毒素というのは、発芽抑制因子の「アブシジン酸(ABA)」という成分で、日本では玄米に関して多くの注意事項があるようです。
このアブシジン酸によって、細胞中のミトコンドリアが傷つけられて、エネルギーが上手く作れずに、疲れやすくなったり免疫力が落ちたりするみたいですね。
それを防ぐためには、
- 超高温で煎る
- 水に浸せて発芽状態にする
の2つの予防法があるのですが、チアシードをよく水に漬けてから食べましょう、というのは、この玄米と同じ対処法から来ているのだろうということがわかりました。
なぁるほど・・けどねっ
☑ 調べてみたら、この「アブシジン酸(ABA)」というものは植物ホルモンの一種であり、特に玄米やチアシードにだけに多く含まれている植物ホルモンでは無いようです。つまり、どの植物種子にも含まれている成分であること
☑ 現に、特にチアシードが「アブシジン酸」の懸念が高い作物だという海外情報も一切見当たりませんでした
☑ そもそも、玄米とは一日に摂取する量も大きく違うのでは?
なんていう疑問も生まれてきちゃいます。
そしてさらに玄米のケースでは、水に浸すだけではアブシジン酸を完全に「死活」させることはできないようです。水分が乾燥するとすぐに元の状態に戻るのだ、というのも以下のサイトには説明されていました。
(20代の大腸がん闘病記、幸せを考える、より)
5年以上再発なしのガン患者が明かす玄米食のデメリットとは
⇒ つまり、この毒性の噂も対処法もあまり当てにならない!
というのが、私なりの結論となります。
さらに、チアシードは水に溶かしてから摂った方が良いという情報については、2014年に米国カナダで発生したチアシードにサルモネラ菌が入っていたという事件や、ある男性が一度に大量の生チアシードを飲んで喉つまりを起こしたという事故情報もごちゃ混ぜになっている可能性もあります。
その「喉つまり事故」というのは、米国のある男性が生のままチアシードを口に含んで水で流し込もうとした際に、食道つまりを起こし、呼吸不全に陥ってしまったという事故なのですが、これはさすがに、水分を含むとジェル化して膨れるというチアシードの特性をよく理解していなかったことに原因があります。
ですが、このような膨張による喉つまり事故をきっかけに、食べる前にチアシードをよく水につけてから食べましょう、その方がより安全!という主張に変わってきたのは事実だと思われます。
【2】 水分の吸収率(チアシードの膨張率)について
チアシードは水分を吸収すると「チアジェル」と呼ばれるジェル状に変化し、体積が膨張します。この作用によって食べた後のお腹持ちも良くなり、豊富な食物繊維とともに「置き換えダイエット」にも最適!となる訳ですね。そして、このチアシードの水分膨張率は、日本のサイト情報では一般的に10倍から14倍と言われています。
しかし、2014年の喉つまり事故以来、米国やイギリスの医療サイトでは”27倍に膨れる 可能性”もある、ということで注意書きがなされています。
(WebMDの調査員の記事↓)
http://www.webmd.com/diet/20141021/use-chia-seeds-with-caution-researcher-warns
もちろんチアシードの膨張率は、水に浸せておく時間やチアシードの個体差によって、膨張のバラツキはあるのでしょうが、最大で27倍!という数字には驚きです。この情報については、日本の情報だけじゃなく、頭にしっかりと入れておいた方が良さそうですね。
⇒ 水分膨張率は10~14倍ではなく、最大27倍の可能性あり!
【3】 ホワイトチアシードがより高い栄養素を持つという情報
チアシードには種子の色が黒の「ブラックチアシード」と種子が白色の「ホワイトチアシード」の2種類が売られています。そして多くの日本サイトの情報では、ホワイトチアシードの方が栄養素が高くて効果的だ、と宣伝されています。
- 必須脂肪酸であるα-リノレン酸をホワイトチアシードはより多く含む
- タンパク質、食物繊維ともにホワイトチアシードの方が含有率が高い
といった内容です。
しかし、これらの情報も間違っていると推測しています。これらの情報は、見た目、イメージ的にも良いホワイトチアシードをより高く販売したい販売者およびメーカーの意向が働いていると思えてなりません。
☑ ブラックとホワイトの原木の違いはない
☑ 一部品種改良されたものを除き、通常の収穫では”同じ木から”ブラックが大半、残りほんの一部のみがホワイトといったように、ブラックとホワイトが混ざって収穫されます
☑ 現に、海外サイトを調べた限りでは、栄養価の違いは取れた地域や、収穫の時期によって多少のばらつきはあるものの、栄養価自体ホワイトチアシードもブラックチアシードも違いは無い!
というのが、事実になります。
⇒ ホワイトもブラックも栄養価の違いは無い!
ということで、ホワイトチアシードがより優れているのは、見た目がキレイな点だけ。高く付くのは、ほとんどを占めるブラック実の収穫から、ホワイトだけを選別してより分ける手間と作業代が掛かっているから、ということではないでしょうか?
こちらにも詳しく載せてありますので、合わせてご参照ください。
ホワイト、ブラックの成分比較サイト↓
▶ ホワイトチアシードの効果的な食べ方、ヨーグルトメニュー5選!
【4】 サルバチアシードはホワイトチアシードと同じ意味か?
4つ目の誤解は、ホワイトチアシードとサルバチアシードが同じ意味で使われてしまっていることです。
こちらについても、以前当サイトでご紹介した通り、「サルバチアシード」というのは単なる特定のブランド名です。
こちらにサルバチアシードについて詳しく紹介しています↓
▶ ホワイトとの違い!?知られざるサルバチアシードの正体とは!?
サルバチアシードとは、ペルーの特定農場のみで生産されている品種改良種から採れるチアシードのこと。ある特定会社が管理生産しており、その会社特有の商品名、ブランドでした。
この品種は、ブラックよりもホワイトの実を多く実らせるよう品種改良されています。そしてシード自体の栄養価も若干高く、オーガニック指定農場といった要素もあるので、サルバ品種は通常品に比べ価格が高くなっています。
販売者さんによっては単なるホワイトチアシードと「サルバチアシード」と称して販売していたりする可能性もありますので、購入の際には注意してみた方が良いでしょう。
⇒ サルバチアシードは、ブランド名でチアシードの品種改良種!
【5】 チアシードが高温調理に向かないという話
この情報の発端は、チアシードはオメガ3脂肪酸を多く含んでいるので、高温加熱するとオメガ3が壊れてしまうという説から来たものだと思われます。
しかし、チアシードは高温料理にも問題なく使用することができます。
例えば、チアシード(生または粉末)をパン生地やクッキーなどに練り込んだりする時の調理温度は220度ですが、それでも大丈夫との説明があります。実際に、チアシードを使ったベーキングメニューも世界には多く存在しています。
また「チアジュル」を卵の代用品としてビーガン料理等に使用するのも、海外では人気の高い調理法です。
品質における問題の大きな鍵は、熱による変化よりもオメガ3脂肪酸の「酸化」にありますので、例えば殻を砕いた粉末チアシードを長く空気に触れた状態で放置しておかない、調理から食べるまでの時間を短くする、といったことに注意を向けるべきです。
ただ、直接熱したフライパンでチアシードを調理する場合には、フライパン温度が軽く300度に達してしまいますので、この場合にはオメガ3の変質の可能性が出てくるので注意が必要になります。
(参考記事↓)
http://www.chiaseedcapsules.com/can-chia-seeds-be-heated/
http://claireobeid.com/how-to-properly-cook-with-chia-seeds/
⇒ チアシードは通常範囲で高温調理も可能!
<結論>今回調べてみてわかった事
チアシードにまつわる5つ噂や情報について調べてみた結果、この5つの情報すべてにおいて、間違いまたは不確実な情報ばかりだと私は断言します。
更なる専門的な調査が必要なところも多いかもわかりませんが、印象としては、随分と間違ったチアシード情報に振り回されているんじゃないかな?と言えると思います。
チアシードのようにここ数年で人気となった商品では、まだ販売の歴史が浅いがために、ネット上で噂レベルの話が一気に拡散されてしまうようなことも多いですし、逆に販売者がそれらを利用し有利な情報を流す、などといったことも起きるからなのでしょう!
海外情報をメインにした今回の調査結果が全て正しいとは言い切れませんが、少なくとも、英語サイトの情報ページ数は日本よりも100倍近く存在するとも言われていますし、特にチアシードに関しては海外の方がずっと販売の歴史が長いのですから信憑性も高いのではないでしょうか。
この調査結果をあなたの一つの参考にしていただければ幸いです。
(By ディオニソス)
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